読書感想文

目標:月2冊という意識の低いブログ

32.チョコレートコスモス / 恩田陸

 

チョコレートコスモス (角川文庫)

チョコレートコスモス (角川文庫)

 

あっという間に読み終わってしまった。

 

非常に分厚い本で、

読み始めるまでとても腰が重かったのだけれど、

昨日やっと読み進め、

今読み終えた。

 

面白かった!

 

この本は舞台の方の演劇についての話で、

天才だけど野生の佐々木飛鳥(18)と

演劇界のサラブレッド東響子(22?)が主軸になっていた。

 

音楽の話はてんで出てこないのだけれど、

日々の生活の仕方だったり、

才能の有無についての言及だったり、

お客さんとの関係性だったり、

今の自分の知っているシーンの中から共有できる描写が多々あって、

感情移入しやすかった。

 

またその感情移入の対象が、

観客であることが多々あるのも、

面白かった。

 

演劇は一度だけ、

知り合いが出演したものを見たことがあるけれど、

なんだかよく分からないなあ、

という印象で止まってしまっていたので、

知識もへったくれもないのだけれど、

この一冊を読んで、

上限値が爆上がりしてしまい、

小劇場通いが始まりそうな勢い。

 

佐々木飛鳥の演技のシーンが何度か出てきて、

回を重ねるごとに期待値をあげていき、

その期待を上回っていくのが爽快だった。

 

文章にライブ感がとてもあって、

演技のシーンを観客として体感したかのような、

リアルな時間感覚を味わえた。

 

没落貴族の話が出てくるんだけれど(一応タイトルは伏せる。)

その中にあった、

「灯りをつけないで!」というセリフを見て、

かつて美輪明宏の「人生は過ぎ行く」という曲を、

コピーしたことを思い出した。

 

あの時にこの本を読んでいたら、

もっとモチベーションが違ったろうなあ…

話の中で脚本や演出が取り上げられていくのは、

メタフィクション的で、

そこも面白く感じたし、

その個々の脚本もそれぞれ楽しめて、

短編集のような楽しみ方もできた。

 

別でそれぞれ探して読んでみたい。

この本には続編があるようなので、

そちらもぜひ読んでみたいと思った。

 

もう最終回を迎えてしまったけど、

この本を読んでからカルテットを見ると、

また色々感じ方や見方が変わりそうだなあ…と思った。

良いドラマだった…

終わってしまって寂しい…

 

というわけで、やっと更新できました、読書ブログ。

来月は沢山読むぞ!