読書感想文

目標:月2冊という意識の低いブログ

22.凍りのくじら / 辻村深月

 

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

 

 

読む本を装丁で選んじゃうんだいつも…
私はこの本、出会っても買えなかったと思います。
この本を下さった方に大感謝です。

序盤は普通だったんですよね。
頭のいい、賢い、高校生の主人公。
苦労してるから、達観した考えができるんだ。
いいなあ若い時から苦労して。
ふうん。
どうせ私はこんな風にちゃんとできないですよ…
なんて自虐しながら読み進めていくと、ふと気づく。

あれ、この子、やっぱりまだ高校生だな。

気づくまでの流れが滑らかで、
本当に気づいたら、あら?という感じ。
一人称で、独白からポロポロと若さがばれていく。
すごいなあと思いました。

主人公は藤子先生ファン。
「Sukoshi Fushigi ゲーム」を心の中でしています。
身近な人の個性に「Sukoshi F○○」と名前をつける。
演劇の最初は、
「善」とか「悪」とか「愛」とかを
擬人化したものだったらしいけれど、
それですよね、まさに。
自分の中身と照らして、
それぞれの人物を読むことができます。

「うん、とても良かった…」
っていうのを一回転させられるのが、
たまらないんですけれど、私。
この本はそれでした。
読んでいけば残ページ数でわかると思う。
エピローグ前までがもう…
なんかあんまり話せるとこないな…内緒だな…
読んだら話しましょう!

展開としてとても面白いし、
中身も読む人それぞれに寄り添ってくれます。
ちょっと分厚いけれど、
頑張って読んで欲しいなぁ。
優しい世界の住人になりたいですな。

うああ、涙で枕がびしょびしょです。

みんなは「Sukoshi、…なんだろうなあ。