28.ガソリン生活 / 伊坂幸太郎
物心ついた時から、
うちの車は青のCR-Vだった。
見た目も乗り心地も大好きだったし、
いろんなところに一緒に行ったし、
ペットに近い感覚で接していた。
高校の時に流石に買い替えになり、
「車とお別れするから部活休むね。」と言ったら、
友達にびっくりされて、
カルチャーショックを受けた。
ということで、車が主人公の話。
望月家というお家の自家用車なのですが、
その車種が祖母の昔乗っていた車と同じで、
めちゃくちゃ懐かしく、
個人的にはそれだけで泣けた…。
車がおしゃべりするのだけれど、
人間には聞こえないという設定で、
ディズニーのカーズよりは現実的。
そしてこの設定が話をより面白くする。
アンジャッシュのネタみたいな感じ。
こういう、あり得ないけどあり得るというか、
あり得ないと実証しようがないというか、
そういう設定は実生活を楽しくするよね。
夢があるねえ…
結構長いのだけれど、
登場人物(車)とエピソードが代わる代わる出てきて、
順繰り回収されていくので、
飽きずにスイスイ読めた。
CR-Vは一回だけ出てきた!
エキストラレベルの出演だった!
推理系の面白さと、
家族ものの懐かしいじんわりと、
都市伝説系のワクワク感と、
車好きだったらそういう楽しみもある。
八百万の神といいますか、
一寸の虫にも五分の魂といいますか、
そこら辺のどれもが生きてるように感じるのは、
日本人ならではの感覚らしい。
中国の知人が、
不思議だと言っていた。
それは良い風習だと思うので、
最近忘れかけていたけれど、
その「全部生きてる」という感覚を、
取り戻そうと思った。
VEZELさんとも仲良くしよう。
みなさんの所有車も出演するかもしれないし、
面白かったので、ぜひぜひ。
ワイパー上がります。