17.あのひとは蜘蛛を潰せない / 綾瀬まる
椎名林檎リコメンドということで。
遅咲きの大人の話。
自嘲する表現がすごい上手だなあと思いました。
子供と大人の境ってすごく気持ち悪いですよね。
自我が芽生えた幼虫ってこんな気持ちかなとか思います。
蛹になって自分を見つめなおしてやっと蝶になるんですね~
あと、登場人物が多いのにしっかり覚えてる。
同じ職場の人、そこのお客さん、家族、恋人、、、
個性というよりも、その人の「やり方」が、
分かるように書いてるなあと思いました。
「蜘蛛という存在の扱い方」という判断基準が最初にあって、
この人だったらどうするかな、ということを考えながら、
それを自分にも周囲にも登場人物にも当てはめるような、
そういう読み方の本だなあと思います。